Aside Browser のレビューを、あらためてまとめてみます。最初は「AI が付いたブラウザ」くらいに考えていましたが、2週間ほどメインブラウザに近い形で開きっぱなしにして使うと、印象が少し変わりました。Chrome をすぐ置き換えるブラウザというより、GitHub、ドキュメント、ダッシュボード、資料整理のようなブラウザ内の面倒な作業を減らす道具に近いです。
開発者目線では、「AI がうまく答えるか」だけでは足りません。大量のタブの中で何をしていたのかを戻せるか、GitHub と公式ドキュメントを読んで整理するときに役立つか、コード側の作業とブラウザ側の証拠集めを分けられるかが重要でした。
結論から言うと、Chrome をすぐ消すつもりはありません。ただし Aside は、GitHub の整理、技術文書の読み込み、ブログ資料収集、ログイン済みページの確認用として残す可能性が高くなりました。
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要約
- Aside Browser は、普段の Web 閲覧よりも資料整理、GitHub 確認、ログイン済み Web 作業で価値を感じました。
- Chrome は互換性、拡張機能、安定性の面で今も基本ブラウザです。
- Arc Browser は Spaces、Profiles、Split View など、タブと作業空間の整理に強いです。
- Dia Browser は Slack、Notion、Calendar、GSuite などの業務文脈を読む AI-native ブラウザという印象です。
- Aside は、コーディングエージェントが扱いにくいブラウザ側の文脈や証拠を整理する道具として見た方が自然でした。
この記事の内容
Chrome の代わりに Aside を試した理由
Chrome は慣れていて便利ですが、気づくとタブが作業の残骸のように積み上がります。GitHub の Issue、PR、公式ドキュメント、ブログ下書き、Search Console、WordPress 管理画面、AI ツールの価格ページが同時に開いている。問題はタブ数ではなく、「なぜこのタブを開いたのか」を思い出す時間です。
Aside が面白かったのはここでした。公式サイトでは、Web サイト、アカウント、ブラウザ履歴を使って “real work” を行うブラウザだと説明しています。2週間使ってみると、この説明はかなり納得できました。AI の回答欄というより、ブラウザ作業を横で整理してくれるエージェントに近いです。
Chrome と比べて感じたこと
Chrome は今も一番無難です。拡張機能、サイト互換性、ログインの安定性、開発者ツールまで考えると、メインブラウザの座を簡単には渡せません。決済、会社アカウント、特定の拡張機能に依存する作業は Chrome の方が安心です。
一方で Chrome は、散らばった作業文脈を整理してくれるわけではありません。タブグループやブックマークは役立ちますが、PR、リリースノート、公式ドキュメントをつないで「この作業の核心は何だったか」を戻すのは結局人間です。Aside の差はそこにありました。
| 項目 | Chrome | Aside Browser |
|---|---|---|
| 基本安定性 | 非常に高い | 継続確認が必要 |
| 拡張機能エコシステム | 強い | Chrome 系として慣れはあるが検証が必要 |
| タブ/作業文脈整理 | ユーザーが自分で整理 | AI 補助を付けやすい |
| GitHub・文書要約 | 別の AI ツールが必要になりがち | ブラウザの流れの中で扱いやすい |
| セキュリティ上の安心感 | 慣れていて保守的 | 便利な分、ポリシー確認が必要 |
メモリ使用量と体感速度
Aside が単純に軽い、または AI ブラウザだから重い、と断定するのは難しいです。ブラウザのメモリ使用量は、タブの種類、拡張機能、動画、開発者ツール、ログイン済み Web アプリによって大きく変わります。同じ10タブでも、GitHub、Notion、Figma、YouTube が混ざると体感が違います。
私の使い方では、Aside を長く開いて AI 作業も使うと、小さな補助ブラウザのように軽いとは感じませんでした。ただし、資料収集と整理を担当する2つ目のブラウザとしてなら納得できます。公平に比べるなら、同じ URL セットを Chrome と Aside で開き、10分ほど安定させてから Activity Monitor でブラウザプロセス全体のメモリを見る方がよいです。
測定メモ: 空タブ1個、GitHub・公式文書10個、動画を含む10個、AI 作業後10分など、条件を分けて見る必要があります。AI ブラウザ比較で「10タブ」だけでは実態が見えにくいです。
タブ管理と作業文脈
Arc Browser を使ったことがある人なら、タブ管理への期待値は少し高くなります。Arc は Spaces、Profiles、Split View などで、ブラウザの使い方自体を変えようとする製品です。仕事、個人、勉強、サイドプロジェクトを分けて持つ感覚が強いです。
Aside は Arc のように作業空間を美しく設計するより、開いているタブと履歴を作業材料にする方向に近いです。開発者にとってブラウザタブは単なるページではなく、作業コンテキストです。GitHub Issue、PR、公式文書、エラー検索結果、ブログ下書きが一緒に開いているからです。この文脈を AI に渡しやすい点が Aside の強みでした。
GitHub 整理に使えるか
一番相性が良かったのは GitHub でした。README、Issues、Pull Requests、Releases、Discussions を行き来していると情報量が多すぎます。コーディングエージェントがリポジトリ内部を理解できても、ブラウザで開いた PR 画面、CI リンク、リリースノート、外部文書をまとめるのは別の仕事です。
Aside for Developers でも、この点がはっきり示されています。コード変更はコーディングエージェントに任せ、CI ページ、非公開ダッシュボード、ステージング画面、ログリンク、スクリーンショットなどのブラウザ証拠を Aside が集めるという流れです。これは実際の開発作業とかなり合っています。
- README と最近のリリースからリポジトリを素早く把握する
- 長い Issue スレッドから残っている論点だけを抜き出す
- PR 説明、CI 失敗画面、関連文書リンクをまとめる
- ブログ記事を書くとき、GitHub の根拠と公式文書を一緒に集める
ただし GitHub 要約をそのまま信じるのは危険です。コード変更の意図、セキュリティ影響、性能影響は、リポジトリ構造とテストまで見て判断すべきです。Aside は最終判断者ではなく、ブラウザ上に散らばった根拠を集める道具として使う方が安全でした。
AI 機能はどれくらい使ったか
AI 機能をすべてのページで使ったわけではありません。短いニュースや単純検索では普通にブラウズする方が早いことも多いです。一方で長い文書、GitHub、価格ページ、技術ブログ、複数候補の比較のように「読んで整理する」ページでは、呼び出す頻度が明らかに上がりました。
| 状況 | 活用度 | 印象 |
|---|---|---|
| 長い公式文書 | 高い | 重要点と変更点の把握に向く |
| GitHub README / Issue 整理 | 高い | 最初の理解が速くなる |
| 商品・サービス比較 | 中〜高 | 表整理は便利だが最終判断は人間 |
| 一般検索 | 低〜中 | Chrome 検索で十分なことが多い |
| コード修正 | 低い | Claude Code / Codex の方が合う |
Arc Browser、Dia Browser との比較
Arc Browser と Dia Browser は、どちらも The Browser Company の流れにあります。Arc の公式ページは Chrome 代替ブラウザとして、Spaces、Profiles、Split View、落ち着いたインターネット体験を強調しています。ただし現在の Arc ページには、Arc は Chromium 更新のみで、アクティブなセキュリティパッチやエンタープライズ向け保護には Dia を使うよう案内されています。中心が Dia に移りつつあるサインにも見えます。
Dia Browser はより AI-native です。公式ページでは Morning Brief、Slack、Notion、Calendar、GSuite の文脈を読み、答えやレポートに変える流れを強調しています。つまり Dia は「業務文脈を読んで成果物にするブラウザ」、Aside は「ログイン済みブラウザ状態の中で Web 作業を処理するエージェント」に近い印象です。
| ブラウザ | 主な印象 | 向いている人 |
|---|---|---|
| Chrome | 安定した基本ブラウザ | 互換性、拡張機能、慣れを重視する人 |
| Arc Browser | 作業空間とタブ整理が中心 | Spaces/Profiles で仕事と個人を分けたい人 |
| Dia Browser | 業務文脈を読む AI-native ブラウザ | Slack、Notion、Calendar、GSuite の文脈が多い人 |
| Aside Browser | ログイン済み Web 作業とブラウザ証拠収集 | GitHub、ダッシュボード、文書、価格ページ、資料収集が多い開発者・リサーチャー |
AI Browser 競争の見方
最近の AI ブラウザ競争は、検索欄に AI 回答を付けるだけでは足りません。Chrome は安定性、Arc は作業空間、Dia は業務文脈、Aside はブラウザ作業の実行と証拠収集にそれぞれ軸があります。
開発者としては、1つだけ選ぶより役割を分ける方が現実的でした。Chrome は基本ブラウザとして残し、コード作業は Claude Code / Codex、ブラウザ証拠収集や GitHub・文書整理は Aside、という形です。作業空間全体を変えたいなら Arc や Dia の方が合う人もいると思います。
良かった点と気になった点
良かった点
- GitHub、公式文書、価格ページのような長い資料を整理しやすい。
- ログイン済み画面、ダッシュボード、CI リンクなど、通常の AI チャットが苦手な領域と相性が良い。
- コードは Codex / Claude Code、ブラウザ証拠は Aside という役割分担がしやすい。
- ブログ記事を書くとき、出典 URL、確認日、変更点を一緒に追う流れと合う。
気になった点
- Chrome の安定性と拡張機能エコシステムをすぐ完全に置き換えるのは難しい。
- AI 要約は便利だが、GitHub Issue や PR 判断をそのまま任せるのは危険。
- AI 作業を長く使う場合、メモリ使用量と費用感を見続ける必要がある。
- 会社業務、private repo、管理画面ではセキュリティポリシーの確認が先。
- 単純な Web 閲覧だけなら、Aside の利点は大きく感じにくい。
使い続けるか
私は当面、Aside Browser を使い続けるつもりです。ただし Chrome を完全に捨てる形ではありません。Chrome は安定した基本ブラウザとして残し、Aside は GitHub 整理、技術文書の読み込み、ブログ資料収集、ログイン済み Web 画面の確認に使うのが一番現実的でした。
AI ブラウザが本当に役立つには、派手なデモより「面倒で後回しにしていたブラウザ作業を一つ実際に終わらせてくれるか」が大事です。Aside は少なくともその問いにかなり直接答える道具でした。Chrome の代替というより、開発者のブラウザ作業を減らす AI 補助ブラウザとしては十分に使い続ける価値があります。
参考文献
- Aside 公式ホームページ
- Aside for Developers
- Aside for Researchers
- Aside Memory
- Arc from The Browser Company
- Dia Browser 公式ホームページ
- The Browser Company